歯科矯正において、「動かしたい歯だけを動かし、動かしたくない歯は動かさない」ようにするために固定源をいかに確保するかということが重要で、これまで多くの治療術式が考えられ治療に取り入れられてきました。
しかし、多くの治療メカニズム、例えばヘッドギアなどの顎外固定装置は患者様の協力に頼るものであり、よく使われている舌側弧線装置なども所詮、同顎内に固定源を求めるものであって、完全な固定源が確保されたものではありませんでした。
そこで、「完全な固定源」を求めて歯科矯正用アンカースクリューや歯科矯正用アンカープレートを固定源とした矯正治療が開発されました。これは、上顎の唇頬側歯槽部や口蓋に小さな器具を埋入留置することより、固定源を確保して治療を行うものです。
当医院でも2001年頃から多くの患者様にこの治療法を行っています。
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正のメリット
1)患者様の治療上の協力に頼らなくて良い
2)抜歯が必要なケースを非抜歯で治療できる可能性が高くなる
3)使用しない場合と比べて、より良好な治療目標と治療結果を得ることが出来る
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正のデメリット
1)清掃が不十分な場合、炎症が起こることがある
2)骨にうまく定着しないと、抜けてしまう可能性がある
3)慣れるまで、違和感を感じることがある
歯科矯正用アンカースクリューの特徴
手術侵襲がほとんどなく、短時間で術後の腫れもほとんどない治療方法ですが、一部の患者様で治療中にこれらの歯科矯正用アンカースクリューが脱離することがあります。
歯科矯正用アンカープレートの特徴
脱離することは殆どありませんが、歯科矯正用アンカースクリューよりも手術侵襲が大きくなります。